【400Xのある暮らし】36.番外編:整骨院

2024/11/23(土)Toshi30mは、単身赴任中のため、一人でこの痛みと向き合わなければならなかった。
家族を心配させたくないという思いから連絡は控えた。
すぐに治るだろうと楽観視していたのだ。
しかし、痛みは増す一方で、普段なら頭痛や肩こりにも効く痛み止め(ロキソニン)が、まったく効果を示さない。
今回の痛みは、明らかに次元が違った。
なんとかしなければと、近くの祝日診療をしている整形外科を探した。
すると、歩いて5分ほどの場所に、祝日でも午前中だけ開いている整骨院を見つけた。
いつも通る道沿いにあったのに、これまで全く気付いていなかった。
まさに、カクテルパーティー効果の逆で、興味のないものには目も向けないという好例だ。
普段は健康だったため、病院の場所など気にも留めていなかったが、今回は違う。
どこにどんな病院があるのか、切実に気になりだした。
予約の確認のため整骨院に電話をすると、「予約は不要です。今、空いていますので、来てもいいですよ。」との返事。
「この痛みが取れるかもしれない」という希望が湧き、「では、今から伺います」と電話を切った。
しかし次の瞬間、「そこまで行けるのか?家のトイレに行くのも大変なのに」という現実が押し寄せた。
足を曲げると激痛が走り、靴下すら履けない。それでも、行くしかない。
靴下は片方履いては横になり、痛みが収まるのを待つ。
もう片方を履き、また横になる。ズボンは動きやすいスウェットを選んだ。
通常なら歩いて5分の道のりを、途中2回の休憩を挟みながら、15分かけてようやく到着した。
整骨院は古い民家を改装したような建物で、Toshi30mと同年代のベテラン先生が一人で診療していた。
かなり古い医院で、3台のベッドが並び、真ん中では年配の女性が電気治療を受けていた。
痛みの状況を説明し、「前日にゴルフの練習に行って、腰がひどく痛む」と話すと、先生はゴルフが原因だと判断したようだ。
「そこに寝てください」との指示に従いながら、「レントゲンとか撮らないのか?」という疑問が頭をよぎった。
この時、Toshi30mは整骨院と整形外科の違いを理解していなかった。
ベテラン先生が電気治療のパッドを装着し始めると、「ただの筋肉痛じゃないんだよおおお」と思いながらも、受け入れた。
もしかしたら電気治療で痛みが消えるかもしれない。その薄い可能性に賭けた。
とにかくこの痛みから解放されたかったのだ。
横たわっていれば、なんとか痛みに耐えられた。
15分ほどの電気治療の後、先生は足を曲げたり、腰をひねったりした。
「いや、無理やり、曲げたりするのはやめてくれー。」と思いながら、本当に涙目になった。
「随分、足の筋肉が硬くなっていますね」
「ゴルフの練習後にストレッチはしていますか?」
とベテラン先生は聞いた。
Toshi30mは、「いや、今はそういうことじゃない。痛みを取ってくれ」と心の中で叫んだ。
電気治療は効果がないように思えた。
もしかしたら治るかもしれないという淡い期待から、湿布も買った。
「この湿布で痛みが治れば、ベテラン先生。あなたのことを救世主と呼び、毎週でも通院します。」思いながら、治療費を払った。
最後に先生から「整形外科にも行った方がいいですよ」と言われた。
「はい。そうします。整形外科と整骨院の違いを把握しておらず、すみません」と心の中で思った。
座ることができないため、コンビニに寄って、寝たまま飲めるパウチドリンクを買って帰ることにした。
普段なら15分の道のりを、1時間もかけての帰宅。
「コンビニの店員は反応しなかったものの、死にそうな顔で動作の遅い客を見て、不思議に思っただろうな」とToshi30mは思った。
家に帰り、ベッドに横たわった。「ただ体力を消耗しただけだった。明日はどうなっている?」と呟き、買ってきた栄養ドリンクを飲んだ。
つづく