【400Xのある暮らし】15.ツーリング3回目、郡上八幡、高山、下呂 その2
41号は飛騨市、高山市、下呂市を結ぶ国道だ。
この日は土曜日だったが、2時くらいの市街地は交通量が多かった。
ただ、市街地を抜けると快適なツーリングロードだ。
高山市を抜けると、”飛騨街道なぎさ” という名前の道の駅があった。
下呂でお昼ご飯にしようと思ったが、もう2時半になっている。
休憩がてら、なにか軽いものを食べようと思い、寄ってみた。
店先で、みたらし団子と飛騨牛の串焼きセットが売っていた。
500円くらいだったか。白川郷近くで飛騨牛の串焼きを買うと1000円くらいかかった気がしたが、ワンコインというのは安い。
それを買うことに決めた。焼いてくれるお父さんは、
「みたらし団子と飛騨牛を交互に食べるとおいしいからね。」
と教えてくれた。確かにうまかった。
Toshi30mは関東地方出身で、単身赴任で名古屋に住んでいる。
週末、東京に戻らず名古屋にいる週末は、天気が良く、ゴルフのお誘いがなければ、PCXとツーリングに出かけていた。
ある道の駅に寄ったときに、好きなみたらし団子を買って食べた。衝撃が走った。しょうゆベースのたれなのでしょっぱかったからだ。
関東のみたらし団子は、しょうゆベースとは言え、甘い。
Toshi30mは甘いものが好きなので、関東の甘いみたらし団子が好きだ。
ただ、飛騨牛としょっぱいみたらし団子の相性は良かった。
※注:ネット調査:東京・神奈川のみたらし団子は甘いが、静岡あたりからしょっぱくなっていて、名古屋ではもう甘くはないようだ。
空を見ると、白川郷では、いい天気だったが、下呂付近は雲が出てきた。
ただ、ここでもToshi30mは、楽観的だった。路面が濡れるので、走るのは気を付けないといけないが、雨に濡れて、体が涼しくなる。
納車の日に走りに行ったときも夕立に会ったが、すぐに雨が上がって、熱くなった体を冷やしてくれて、それはそれで気持ちが良かったからだ。
真夏のゴルフもそうだ。Toshi30mは、真夏の晴れたゴルフよりも、少し雨が降ってくれた方がよい。プレーは難しくなるが、暑くなって集中力を欠くよりも、雨で涼しくプレーした方が、いいスコアが出る気がするくらいだ。
下呂温泉街で、温泉こそ入らないが、遅いランチを食べるため、「道の駅 なぎさ」を後にした。
少し雨が落ちてきて、涼しくて気持ち良かった。
小阪久々野という名前のトンネルに入った。
少し濡れたメッシュジャケットと元々涼しいトンネルの気温も相まって涼しいどころか、寒さを感じるようになった。
それよりも気になったのは、対向車側の道路の濡れ方がすごい。
トンネルの向こうは雨が強いのか?
かまわず進む。どうせ、夕立。すぐに去る。
トンネルを出る。
ざぁぁぁーーーー。
ヘルメットのシールドにすごい勢いで雨が当たる。風圧で水滴は後ろに流れるので視界は悪くない。
雨の粒が大きくて、体に当たると痛いくらい。メッシュジャケットを通って、直接肌に当たる。
瞬間ずぶ濡れ。
夕立どころじゃない。
ゲリラ豪雨だ。
「これは雨宿りしないと」
ちょっとしたレストランの横に屋根付きガレージがあったので、少し雨宿りさせてもらう。
ジーパンの太もも前側や股間はびっしょり。
いくら夏は雨が良い。と言ってもゲリラ豪雨は困る。
カッパを持ってないから、少し雨が収まったら再出発しようと、Yahoo天気を見る。
・・・19時頃に雨がやみます・・・
「いやいや、今3時。なんであと4時間も降り続けるんだよ・・・」
天気に文句を言っても仕方ない。
Yahoo天気で雨雲の形を見ると、今走ってきた道を引き返すと、雨雲を抜けられそうだ。
そそくさと用意し、今走ってきた道を走る。
自分は、一度走った道を引き戻すのはNGとしていたのだが、今回は仕方ない。
早く雨を抜けたい。
さっきのトンネルに逆側から入る。
トンネルを抜けると、雨はなく、晴れ間が見える。
「いい判断だった。」
と自画自賛した。
何台かバイクとすれ違ったが、そっちは大雨だよ。と教えたかったが、無理だった。
もう、ここまで戻ってしまって、時間も遅くなるので、高速で帰ることにする。
高山市で、東海北陸自動車道に乗って名古屋方面に戻ることにする。
初ETCゲート通過になる。
問題ないんだろうが、いつもETCゲートを抜けるときは、バーが上がるかが少し不安になる。
無事に通過できた。
しかし、、、、
東海北陸自動車道は、高山ICから、また下呂の方に行く高速道路だった。
「バカな判断をしてしまった。。。。」
天国から地獄。いい気になるものではない。
土地勘がないとは言え、この選択をした自分を責めた。
本来はもっと、西に向かって、つまり郡上の方まで行ってから、名古屋方面に南下すれば雨雲を回避できたかも知れない。
もう乗ってしまったものは仕方ない。
4時前なのに、夜のように暗い。
それに加えてさっきよりも大雨。
おまけに高速道路なので、スピードを出さないといけないが、ところどころ水たまりになっているので、そんなにスピードを上げたくない。
ただ、豪雨なので、車も注意して車速を落としている。
更に、寒さを感じるほどになってきた。
もうジーパンは、すべて濡れている。靴の中も水がたまっていてぐしゃぐしゃだ。
後戻りもできない。このまま、雨に打たれるだけだ。
苦行でもあるが、この苦難も面白く感じている。誰のせいでもない、現状を受け入れるだけだ。
これぞ、ツーリング先で良くあることだ。
30分くらい走ったら、雨雲から抜けたらしく、明るくなり、暑くなってきた。
下呂によらず、何も食べていないので、”ぎふ大和PA”というPAにより、遅い昼食にした。
もう既に暑いが、体は冷えているので、温かい天ぷらそばを食べた。
ここのそば、うまい。生き返った気がした。
そのまま高速で名古屋まで帰る。名古屋は晴天、酷暑だった。
あの下呂での大雨は夢だったのか?
夢じゃないことは、ぐしょぐしょになったスコイコのシューズが証明していた。
つづく