【400Xのある暮らし】32.ツーリング13回目:矢作ダムとカタナとウナギ その1
その日もToshi30mは、矢作ダムの周遊路を走りにきた。
最近、ようやく400Xの特性に慣れてきて、乗り方がわかってきた気がするからだ。
もっと乗れるようにするために、矢作ダムを通って新城の方に行くルートは最高のツーリングコースだと思っている。
今もいるが、昔は走り屋が多かったのかも知れない。
ところどころに減速しないといけないガタガタする減速帯があるが、悪路をどのようにクリアするかの練習にもなる。
矢作ダム周遊路は、8の字のようになっている。
真ん中の結合しているところが、ちょうど矢作ダムの堤体として、8の字の上から時計回りで走ったり、逆で走ったりすることができる。
ちょうど、矢作ダムの堤体の端には、走りに来た人が一休みする駐車場がある。
Toshi30mは、ここで休んだり、写真を撮ったりするときもあるが、スルーして一気に走り抜けることもある。
8の字のサーキットみたいになっているが、それをぐるぐる回るようなことはしない。
まじめに走ると、結構疲れるし、それをやっているといつか転ぶような気がするからだ。
その日は、矢作ダム駐車場で、水筒に入れてきた暖かいコーヒーを飲んで、一休みしていた。
矢作ダムの駐車場にアクセスするのは、8の字状になっているので、4通りある。
真ん中のBABがダム。ここを中心に右回り・左回りができる。決して危険な走りはしないように。。。
1つのルートとして駐車場手前のトンネルを抜けてアクセスする方法がある。
マフラーを改造した走り屋がくるとものすごい音がトンネルから聞こえる。
Toshi30mが休んでいると、1台のバイクの音が近づいてきた。
赤いGSX1100S 刀だ。今のKATANAじゃなく、数十年前リリースされた刀だ。
きれいに乗られている刀だった。 そのカタナ乗りも一人で走りに来たようだった。
400Xの近くに停めてヘルメットを脱いだカタナ乗りは、Toshi30mがずっと見ていたからか、声をかけてきた。
すごくきれいで美しいカタナ。何十年経っても、このデザインを超えるバイクは出ていないような。。。
「朝は寒くなってきましたね」
Toshi30mは、
「そうですね」 と、軽く返した。
Toshi30mと同年代くらいのとても好感の持てる紳士だった。
「カタナ、きれいに乗られてますね。写真撮らせてもらっていいですか?」 と聞いて、承諾をもらった。
「マフラーをヨシムラにしたくらいだよ。カタナの形が好きで、今も乗っているよ」 ということだった。
今のバイクとは違い、乗るのは難しいんだろうが、もう何十年も乗っているので、乗り方はマスターしているのだろうな。 と思った。
どこに行くか、聞かれたので、新城の方に行こうと思っています。と答え、同じ質問をした。 浜名湖の方まで行くということだった。 「どのくらいかかるんですか?」と聞いたら、「2時間もかからないで行くよ。」 とのことだった。
つづく
別の場所で、銀色のカタナにも遭遇。400Xとカタナ。実は顔が似ている